零れる景色

人間ってのは、嫌なことや気の進まんこと、原辰徳なことがあると、
不思議と視界が狭まるようにできている。 

と、たぶんニーチェなら言ってそう。               

そんな状態で電話片手に歩こうもんなら、

犬を蹴飛ばし、
電柱に弾かれ、
返す刀でオバハンに体当たり。 

本屋で棚から一冊引き抜こうもんなら、
奴ら群れで俺を目掛けてダイビン。

レジでは100円足りません。

春の陽気な妖気に誘われたものの、身の回りでアレコレ、良い事も悪いことも。
失われた狭き視野で、のらりくらりひらりとかわしてきましたが、本日一段落。
そんなこんなで、ようやく視界が120%に復元しますた。

東京湾で水遊びしているような現在の生活から、いつ社会の荒波に漕ぎ出そうかと
片足伸ばしては、水が冷たーい、風が強ーい、眠ーい、食料忘れたっ、
とオクラホマ・ミキサーだったわけですが、この度ようやく外洋に乗り出すことになりました。

といっても、きな臭い日本海や外波の太平洋ではなく、
緩やかな暖流流れる地中海でクルージングか!?
といった風情の航海でございます。

私、この10月からヨーロッパはプラハ(チェコ共和国の首都)にですね、
奨学金という名のお小遣いを携え、留学することに成りました。

昨年の11月頃から、アレコレ画策して国費留学の申請書を提出していたんですが、
今月の初めにようやく返事が我が家に届けられまして。

「汚れの目立つエアメールだのぅ、誰からだろ。架空請求だったりして。」

なんつって、開けたら中から仰々しくも厳かに、あちらの文部省から
留学許可の書類が見え隠れ。

それにしても、海外の省庁から家の郵便受けに直で郵送かよ!と
一人で突っ込んでおりました。喜びにニヤケタ顔で。

さて、私が入れていただくのは、
「プラハ国立芸術アカデミー」という大学の映画学部(通称FAMU)でありまして、
なにやら映画関係ではヨーロッパ最古の創設とのこと。

歴史と評価のつまったこの学部が、わたくしめの実力を大幅にはみ出ていやしないかと、
とてもとても心配で、最近は昼過ぎには目が覚めてしまうし、
水が合うか合わぬかなどと言うものは、そこで暮らしてみなければわからん、
などと強迫観念にも駈られる始末であります。

というのも、私は映画学部の中のプロデュース科を希望していたわけなんですが、
この科はいわゆる外国人用の留学コースではなく、一般の科だそうで。

つまりは、チェコ語が必須。
さらには、私の指導教授は英語が不得手な御様子。

あと半年で始まるわけで、
現在猛烈に勉強中。

だったらよかったんだけれど、

うん、

あれだ、

五月病だ。



始めて知る。大いなる悲観は大いなる楽観に一致するを。
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by chikara_mikado | 2007-05-10 02:13 | チェコのこと
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