外国人警察の話 3 

さて、つい昨日のこと。

知り合いの音楽家が海外でのコンサートツアーがあるため、家を空けることになりました。
1ヶ月ほど。

豚小屋的学生寮にちょっと欝なオイラは、彼らの犬のしもべになる契約を結び、
まんまと一軒家を自由に使う権利を獲得しました。

ここはインターネットが24時間。
電話もFAXもあります。

ビバッ!ザンギリ頭!文明開化!

というわけで、前回の続き。
ビザの準備のために国外へ脱出。
ドイツ旅行のお話。


さてさて、どうやら僕はチェコ国外に一度出て入り直さなければいけなくなったようです。
日本人はチェコへ観光でいる分にはビザはいりません。

なので、今までの滞在を観光だったことにして、
また改めてビザ登録の為に入国した、という証拠を残すことが必要になったのです。

バカバカしい。

しかし、多くの留学生、たまに社会人も一度は体験する道だそうな。
ちなみに、チェコはドイツ、スロバキア、オーストリア、ポーランドに囲まれています。
なので、国外にあって、かつ近い都市は限られています。

人気があるのは、ウィーン(オーストリア)、ドレスデン(ドイツ)、
ブラチスラバ(スロヴァキア)でしょうか。
今回は、この中から列車で片道2時間半のドレスデンに行くことに決めました。

国境付近の駅になるとチェコとドイツの警察官のコンビが仲良く乗ってきて、
双方のスタンプ(出国と入国)を押してくれます。

今回は街を観光するでもなく、ただ行って帰ってくるだけの、
入国したというスタンプのためだけの旅行になるはずでした。


が・・・


プラハ駅から列車に乗り込む瞬間、またもや怪しげな日本人との出会いが。
イギリスはロンドンで、靴の職人をしているというWさん。
革靴やデザイン性の高い女性モノの靴を専門的に作っているそうな。

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うーん。

旅先で会う人は、みんな一風変わってるから面白いやね。
ということで、ドレスデンにつくまでの列車の中は座談会。
いや、文字通り席が開いてなかったので、連結部分のちょっとした広間に
二人で胡坐掻いて2時間半しゃべりっ放し。
イギリスの物価の高さからスペイン語での女の子の口説き方まで。


Wさんは、イギリスでの修行に目処がついたのでそろそろ日本に帰ると。
そして帰国前にヨーロッパの友人達を訪ねているのだそうな。

プラハに滞在したのはわずか2,3日。
よくもまぁ、こんなとこで出会ったもんだ。

で話の流れから当然、ドレスデンに着いたら一杯やるけどどう?みたいになるわけですよ。
そこまで来たら、うんいいよ、一泊してく。ってなるわけですよ。

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ドレスデン本駅に降り立ってまず感じたのは、時間の流れ。
僕は初めて行く場所が好きか嫌いかの判断をする時に、
その街の人々の歩く速さや喋る速さで測ったりします。

早く動く街は余裕がない。
息苦しさを感じ、なんとなく自分もあせってしまう。
東京は結構そんな感じ。プラハもちょっとそうかな。

ここドレスデンは全く違いました。
街がゆっくりと大きく少しずつ動いてるイメージ。
あせらなくていい。

もともと、第二次世界大戦の爆撃でボロボロになった都市で、
今も復興作業が続いている地域もある。
新しいものと古いものが混じり合って形成される街。
でも、どちらかが主張してるんではなく、余裕たっぷりの譲り合い。
エルベ川がうまく導いてる。

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そんなわけで、10分も歩かないうちに僕はこの街が好きになった。


Wさんのドイツ人友達を待っている間、
とりあえず川辺でビールにソーセージってことになった。
まずは、観光客でにぎわうカフェへ。

流石ユーロ。
めちゃくちゃたけぇ。
ビールにソーセージ1本で1000円かよ!

腹も膨れず、消化不良な僕らは、
今度はベトナム人のお店で缶ビールと得体のしれない野菜の漬物を買った。

当然、川辺に持っていく。

エルベ川がゆっくりと流れ、日が傾きかけている。
地元の人が犬を連れて歩き、子供達が遊んでいる。
あぁ、よくある景色だけど、いつ見てもいいなぁ。

ただね、お前らよ。缶ビール片手に浅漬け食ってる俺らを、
汚いもの見るような目で見るのはヤメロ!
ホームレスではないぞぉぉぉぉ。

そうこうしてるうちに、ドイツ人到着。
奴等は日本語読めないし実名で公表。

デニス29歳とオリヴァー30歳。
両方とも男。

初対面の俺を温かく迎えてくれる。
いい奴だなお前ら。さっきの川辺の奴等とは一味違うな。

まずはオリヴァーの家に行き、一休み。フィリップが加わる。
街のこと、部屋のこと、女のこと、上等なワインを片手に男5人が
ワイワイヤイヤイガヤガヤしている。ちょっとむさ苦しい。

速攻で空いたワインの次は、高そうなシャンパンを空ける。
基本的に行動を仕切るのは、わがままで頭の回転も速そうなデニス。
ゆっくりとだけど深く深く考えるタイプのオリヴァーといいコンビだ。

まるで高校生のように見えるオリヴァーのルームメイト、
フィリップは彼らと同じ歳で同級生だったらしい。

ビール飲んで、ワイン飲んで、シャンパン飲んで、さぁこれから食事に行こうという運び。
なにやらいいレストランでもてなしてくれるらしい。

確かに美味かった。
出たワインも相当良さそう。
いい感じに気持ちよくなってきた。

でも、たけぇぇよ!
ユーロまじでたけぇよ!

飯も食ったし、酒に酔ったし、次はどうすんだと思っていたら、
クラブをはしごするから行こうぜ、と。

こっちの奴らの遊び方はいったい何だ!?

30分か1時間もいると、飽きるのか歌が気に食わんのか、次の店へ移動.
小粋なレストラン→パブ→クラブ→クラブ→クラブ→クラブ→クラブ→
人生の落伍者が集うパブ→ストリップ的なクラブ→朝食。
行き過ぎ。お腹いっぱい。

さぁ、もう朝だよ。
朝食食って部屋戻ろうよ。
いや、俺はプラハに戻るんだった。

夜も明け、酒も抜け、朝飯を食いながら少し真面目な話をした。
そういう顔も持ってるのね。
どうやらドイツ人は結構気が合うらしい、僕。

うん。

ドレスデンに来た時は、いつでも泊めてくれるそうだ。
また必ず来ると伝えて別れた。

駅まで結構必死に走ったんだけど、盛り上がってた話のせいで、電車に乗り遅れた。
もう瀕死ですよ。

朝まで飲んで、走って、死にそうで、小汚い入国スタンプを貰って、プラハに着いた。
でも今回だけは、このビザの不始末を許してやろうと思う。


→週が明けたら、またあの人間の仮面をかぶった動物達の集う吹き溜めに行かねば。
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by chikara_mikado | 2007-10-07 09:55
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