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セネガルの呪い

年が明けて直ぐのころ、プラハからジュネーブへ、そしてスイス各地を通りミラノへ抜けて
またプラハに戻る、という旅程をこなして参りました。

現在猛烈な咽の痛みと発熱、頭痛に悩まされています。
この症状をみるに、ただの風邪ではなく新型インフルエンザ、
はてはセネガルの呪いなのではないかと疑う今日この頃です。

スイスの街並みがどこも素晴らしかったのは、元気になってから書きますが、
今日みなさんに伝えたいことは、イタリア・ミラノで注意すべきこと。

スイスより鉄道で、ミラノへ渡った僕らでしたが、ミラノ駅の券売機でまず出会ったのは
親切な切符の買い方案内人。

小奇麗なジプシーのお姉さんが、懇切丁寧に切符の買い方を教えてくれます。
One wayだったら1€、一日乗車券だったら3€よ、と。
10€札を入れて一日乗車券を2枚買ったら、おつりが2€コイン2枚。
お姉さんは急いでおつりを取ります。

おいおい。

と、思ったらちゃんと返してくれる。
あれれ、ただのいい人なの?

違いました。

一度ちゃんと返しておいて信頼関係を築いたのち、

「サー、チップを頂けないか」

と頼む、情に訴え作戦なのです。
当然、ホロっときた僕は

「持って行きなよ、ベイベー」

と、その場の雰囲気に流されます。

よくよく落ち着いてみたら、隣の券売機にやってきた白人のオッチャン夫婦にも、
案内人して、チップゲットしとるし。

こんなんで数€かと思うと、その仕組まれたやり口に脱帽するしかない。


さて、無事1日乗車券を手にした我々は、とりあえず中心駅に向かう。

ドォーモ。

おや、ここにも券売機の横に人が立ってるぞ・・
そうか、それぞれ持ち回りが、餌場が、狩場が、縄張りがあるのね。
シュゲーな、流石イタリア、ギラギラしとるね。
と、中央口の階段を上り、メイン広場へと出る。

と、陽気な黒人が話しかけてくる。

「ヘーイ、ワッツアップ?」

「OK」

「ディス イズ フォー ユー」

(なんだかミサンガのような、紐のような、手に巻く物のようだ)

「I don't have money」

「ノープロブレム、ディス イズ ロング ライフ フォー ユー」

「but I don't have money」

(肩にパサッと乗っけられた)

「オーケー、オーケー、ノープロブレム」

「So.」

「マイネーム イズ キン. アイアム フロム セネガル」

「I am Japanese.」

(ここで、僕らはハイタッチをする)
(そのままグッ、グッと2回連続の握手)

「アイハブ シックス ブラザー アンド シスター」

「All right.」

(僕の右手には、セネガルのロングライフお守りが巻きつけられている)
(キンは持参の爪切りで、結んで余った紐を切っている、結構細かい奴だ)
セネガルの呪い_a0013368_19404278.jpg

「ソウ、ディス イズ ロング ライフ フォー ユー」

「Thank you, bye.」

「サー、リトルマネー フォー アフリカ」
「サー、リトルマネー フォー プアー カントリー」

「I told you I don't have money.」

「プリーズ、プリーズ」

(仲間たちがわらわらとやってくる)

「anyway, bye」

(少し強引に振り切ったら追いかけてくる様子もない)

「ファック、シット、ガッデム」

「おいおい、金ないてゆーたやん・・」



みんな無からお金を生み出すのに必死。
しかし、それゆえに巧みな方法へと洗練されていくのかも。
実際に、ある種の強引さはあっても、決して最後の一線を越えることはなく、
むしろ相手の同情心や良心に訴える作戦が多い。

おつりを返すのも、名前や出身や家族構成を伝えるのも。



ミラノから戻った次の日、強烈な風邪ひいた。
キンよ、金ないてゆーたやん。
by chikara_mikado | 2008-01-19 19:44 | 旅行
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