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共産時代の残滓

ご無沙汰しています。

年末から数えて3度目の風邪をひきました。
ヨーロッパの乾いた冷たい風が身に凍みます。
こっちの冬は、どうしようもなく向いていない気がする。

1月の半ばにスイス・イタリア旅行から戻った後、
ハンガリー、ポーランドにも行ってきました。

流石、チェコはHeart of Europe、交通の便が良い。
ハンガリーとポーランドはそれぞれ別の機会で、夜行列車を使いましたが
これがまた中々快適であります。

短期間に色々な国を体験し、まだまとまっていないので
これらはいずれ書くとして、今回はある「コート」について少々。



共産時代の残滓を目の当たりにしました。

正確には、共産圏の国々を横目に見ながら
豊かさを持ち続けた西側のノコリカスなんですが。

えー、早い話がですね。
「コート」を1着買ったんです。

コレ↓
共産時代の残滓_a0013368_7443997.jpg


お値段 : 40kc 
日本円にして約240円

いやいや240円ですよ、奥さん!

プラハのアンジェルにあるアジアンマーケットの一角で見つけました。
10kc(60円) から 50kc(300円) までのフリーマーケットのような感じ。
とすると40kcはここでは高級品ですか・・

ただ、タグを見てビックリ。
共産時代の残滓_a0013368_7485248.jpg


ん?もうないよねこの国?
ん?ってことはこれ20年物?

というわけで、偽物のタグを張り付けたという可能性を抜きにして考えれば、
西ドイツで製造された年代物のコートを破格でゲット。

流石にそのまま着られるわけもなく、水洗い禁止のマークもなんのその、
強行で洗濯することに。


メッチャ汚ねえ・・


3回洗って、


汚れが渦を巻いて泡と共に排水溝に消えてゆくのを目にして、


ふと思った。


これって、80年代のヨーロッパの人々の疲れ?
激動の歴史を歩んできた時代の疲れ?

それを今、浴槽に流し落した。
ちょっとブルッときた。


これに袖を通して街を歩くと、
少しだけ古い時代の匂いを感じる。
狭い路地でももう迷わない気がする。
by chikara_mikado | 2008-02-13 08:00 | チェコのこと
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