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釣りキチ二平  その3(ラスト)

その1
その2


3日目。

三度目の正直、二度あることは三度ある、
仏の顔も三度まで、三度の飯より釣りが好き。

ぬおおおおおおおおおおおおおおお。
増水、増水、雑炊食いたい。

食いたくねーよ、釣らせろよ。
ありがとうございました、どう見ても不可能です。

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こいつらは、そんなことぐらいでめげずに、
今日も頑張っています。

いいなぁ、泳げるって、いいなぁ。

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別の釣り場に移動してみます。

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やっぱり駄目で頭を抱えるの図↑


帰ろ、帰ろ。
ヤケッパチになった二人は、すっぱりあきらめて帰路につきます。
クロアチアの国境越えるぐらいまで、愚痴ってましたが。

もういいんです。
初日、あんなに釣り上げたのは生まれて初めてだったから。

そんなわけで2日くらいかけて、プラハに帰着したのでした。

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と、ここでボスニアの話は終わって、その後のこと。

帰って来た週の週末にリベンジで、また釣りに行きました。えへ。
今度はプラハから北東に約150キロ。エルベ川の上流です。
前日、復讐に燃える僕ちんは魚の夢を見てしまいました。

もうね、病気。


朝、10時過ぎから夕方4時まで、
あれやこれやと手を尽くしたものの、釣果はこれまたピリッとせず。


でもね、いいんです。
かつて中学生だった頃、日本でいくら渓流釣りに行っても
ほとんど釣れなかったんですから。

いつも三平読んでは、

「いいなぁ、いいなぁ、こんなんだったらいいなぁ。」

と、妄想してばっかりだったんですから。

こっちでは、まるで漫画のように、

「あそこの岩陰に毛針を流したら、食いついてきそうだな」とか、
「あの流れ込みは、居そうだな」とかが、

現実のものとなって、思ったとおりに魚がバクッと来るんですから。



最近また竿を握り始めたけれど、もう何年振りになるだろうか。
どこかに仕舞いこんだ趣味の一つが、遠い異国で咲くなんて思いもしなかった。
今は川に行って、水と遊ぶだけでも楽しいのだ。

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by chikara_mikado | 2008-11-23 02:58 | 旅行

釣りキチ二平  その2

その1


さて、ボスニアに着きましたよ。男二人が。


国際免許を取ってこなかった僕は還暦すぎの大先輩に運転を全て頼み、
助手席で鼻歌を歌う役を忠実にこなしていました。

往復延べ1800キロ、お疲れ様でした。
ごめんなさい、ごめんなさい。
今、急ぎで免許申請中ですから。

クロアチアからボスニアへ抜ける山道では、すでに雨、雨、雨。
漂う敗北感をかき消すように、空元気で宿に到着。
とりあえずビール飲んで就寝。






夜が明け初日。


やっぱり雨。


あqwせdrftgyふじこlp;
なぜ、どうして、Why?、Proc?、なぜなんだぁぁぁぁ。


降りしきる雨の中、宿から8キロ。

Unac(ウナッツ)川。
Unaというのはボスニア語で「Only one」の意味で、Unacはその支流にあたる。
なんか地獄谷みたいなとこにあるのよ。

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水かさがそんなに増えてないことを救いとし、釣りを開始。
蛍光の糸を前後にぶんぶん振る、あれだ、フライフィッシング。

カッパを持ってきてないのでゴミ袋をかぶってみたる。
地元の人に変な眼で見られた。

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この川の対象魚はレインボートラウト(にじます)とブラウントラウトだ。
すぐ近くに養魚場があることも手伝って、
魚影は濃く、魚も最近の高校生ほどスレていない。

水面に浮かぶ毛鉤を、魚がジャンプしながら捕食するシーンは、
何度見ても興奮する。

自然の中で、手の届かない存在が、人工的なものに騙され、
もう間もなく自分の手のうちに入るであろう、悪魔の快感だろうか。

はたまた、貴重な捕食シーンを、投げた毛鉤を通じて、
自分だけに見せてくれる、密やかな特権に対する感動なのか。

綺麗なお姉さんが向かいに座っている始発の電車のように、
とにかくやけに生唾ものなのだ。


日が沈むまで、ひたすら釣り続けた。
30か40を超えたころ、数えるのはやめたけど
恐らく、100匹は優に超えているであろう。

ただ、サイズには恵まれなかった。
一番大きなもので30センチ前後。

雨にもかかわらず、満足のいく初日であった。

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うん、魚の写真ないとカッコ付かないので、
Aさんの釣り上げたこの日一番を拝借。



さて、2日目。よしよし、雨は降っていない。
期待を胸に釣り場へ赴くと・・・

増水、増水、雑炊食いたい。

おいおい、勘弁してくれよ。

そうなの。

川の釣りは、天気だけがよくてもダメなの。
前日の雨が山肌に染み込み、溢れたソレが川へと降り注ぐの。
60センチも70センチも水かさが増しているの。

イエジシマリア。

というわけで、この日は釣りにならず。
宿に戻っての休養日となった。

でもね、ものすっごい天気いいのよ。
11月とは思えないくらい暖かいし。
しょうがないのでペンションの裏庭で、犬を横に侍らせワインを喰らう。朝10時から。

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ほどよくまわった頭を酷使し、
ボスニアに来てから感じたこと、思うこと、気がついたこと、
などをメモしてみることにした。


・国境を越えたころからポツポツ見かけだしたのだが、
ボスニアの民家では雨なのに洗濯物を出しっぱなしにしている家が多い。多すぎる。
洋服から雨水が滴り落ちてもなんのその、完全なる放置プレイ。何で?

・この日、釣り場へ行く途中にお婆さんを追い越した。
その後、釣り場で川の様子に嘆き、未練たらたらで何度も水面を覗きこみ、
近くにある滝やら吊り橋やらを散策したのち、諦めて宿に戻ることにした。
帰り道、先ほどのお婆さんとすれ違った。

このお婆さんは釣り場の先にある小さな村の小さな商店に買い物に行くのであろう。
歩いて片道2時間はかかるこの道のりを、黙々と歩いているのだ。
我々が行って帰って来たのに、まだ往路である。

会釈をしてみたが、返事はなかった。
自分の足もとに、厳しかった時代と不安な明日を見ていたのだろうか。

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あ、家が流されそう。

・川沿いの道、ボロボロの道を進むと、突如山に切れ間が現れる。
子供がそこに置き忘れたかのように、橋が架かっている。
壊れかけのこの橋は、息苦しくなるほど、静かに儚い。
朝もやの中、何も待たずに佇んでいる。

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・爆撃を受け、この橋は破壊された。
戦争が終わっても、それを綺麗に直す余裕などない。
人々が最低限必要なだけ修復したそれは、日の光を浴び、川に浴する。

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・メモによると、ただ今の時刻は14時15分。どこからともなくコーランが聞こえてくる。
この地区はムスリムが多いらしく、街中に響き渡ること、日に数回。
また、日没の時間、空の色が落ちた頃に届くコーランは
何か厳粛な気持ちを起させる。でもどこかホッとする。気が楽になる。って書いてある。


コーランを聞きながら、
昔、あるチェコ人に言われたことを思い出す。

彼は音楽家である。
社会主義の頃から、演奏のためヨーロッパ各地に出かけるチャンスがあった。

楽団内の友人から裏切りにあったこと、
外貨をいかに自国に持ち込むかで知恵を振り絞ったこと、
どれだけの閉塞感が社会に漂っていたのかなど、

夜中にビールを飲みながらずっと話してくれた。

「君は今、溢れる情報から色々見聞きできるだろう。
当時の様子を知ることができるだろう。
しかしね、その感覚を得ることはできないのだよ。
想像で感じることはできないんだ。
なぜなら、イッツ ナット ユー。」

勉強するのは構わない、知ろうとすることはむしろ素晴らしい。
しかしそれを理解していると言ってはいけない。

これは効いたね。
少しばかり知った気になってた自分が、打ちのめされた。

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お前はいいよね、のんきで。



さて、自然の中に身を置いていると、子供の頃の感覚が戻ってくるもんだ。

昔はゴキブリを捕まえて、こねくり回し、

「母ちゃん、クワガタのメス捕まえた」

という5才児だったのだから。


落ち葉の下にはキノコが生え、カタツムリをよけながら歩き、
空ではクモが命綱をつけて泳いでいる。

だんだん、見えなかったものが見えてくる。

今日も星が出ている。
明日もきっといい天気だ。
いい釣りができますように。

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by chikara_mikado | 2008-11-19 23:22 | 旅行

釣りキチ二平  その1


こんにちは。


「こっから先は地雷源だよ」は、映画か漫画の世界だと思ってました。

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先週、ボスニアに釣りに行ってきました。


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Bosna i Hercegovina(ボスナ・イ・ヘルツェゴヴィナ)

首都:サラエヴォ
人口:400万人
通貨:兌換マルク(KM)
→でも、どんな田舎でもEuroが使えるんだぜ。
 交換レートが固定だから、みんな安心なんだ。
 1Euro≒2KM
民族:ボシュニャク人(48%)、クロアチア人(14%)、セルビア人(37%)
→血統や言語はそんなに差がないけど、宗教と歴史で違う民族なんだってさ。

ボシュニャク人がイスラム教、クロアチア人がローマ・カトリック、
セルビア人がセルビア正教会なんだ。

宗教が違って、記念日やら祝日やらが合意できないから、国の祝祭日は、
1月1日、2日の元旦と5月1日、2日のメーデーしかないらしいぜ。
→なんていうか、とても残念だ。

2007年4月1日当時で、日本人20人が住んでるんだって。
→留学生とかいるらしいよ!
2008年5月27日、正式に在BiH日本大使館ができたんだって。
→ほんの数か月前・・・

「7つの隣国、6つの共和国、5つの民族、4つの言語、3つの宗教、2つの文字により構成される1つの国」だった頃の話は、長くなりそうなので自習ということで。

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40年前からここいらでブイブイいわせている、日本人の頭領みたいな人がいる。
プラハ在住云十年のAさんだ。

頭領のくせして、か、よくあるようになのか、
彼はエロい話や女の子が大好きなのだ。
また、いつも少年のような良い顔で笑う。

そのうえ無類の釣りキチなのだ。


釣りキチ三平という漫画をご存じだろうか?
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何ものにも代えがたい愛情を持って読破し、
人生の教科書としてうちのトイレの本棚に鎮座しているこの本達は、
僕の宝物である。たぶん。

というくらいの釣り好きである僕は、

Aさんの夏のボスニア釣行を、「鵺」公演なんていう、
ちっぽけで副次的で小鮒に毛が生えた程度の
大事な大事な仕事のために泣く泣く断念してしまった。

二度目の誘いは5秒で決意した。


一路900キロ。

チェコ→オーストリア→スロヴェニア→クロアチア→ボスニアと、
5カ国に渡る車移動である。男二人で。

いざ旅の始まり始まり。男二人の。
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by chikara_mikado | 2008-11-18 08:12 | 旅行