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生一杯が4杯分

週に1度云々と抜かしましたが、第一週からこの体たらくです。
でもチェコ時間で言えば、まだ一週間圏内です。たぶん。

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かつて日本で学生をやっていた頃、僕は確か経済のことを勉強していたはずなんですが、
鉛筆を持ったり机に座ったりした記憶がとんとありません。

なんとか昨日のおかずは思い出せます。

僕が初めてチェコに来たのは、2005年の9月。
当時、1チェココルナ(以後CZK)は約4.5円でした。

比較対象になりそうなものをちょっと調べてみました。

収入からいってみましょう。
チェコ人の平均月収。単位はCZK。

2002年 15866 1CZK≒3.6円 約5万8千円
2003年 16917 1CZK≒4.1円 約7万
2004年 18041 1CZK≒4.2円 約7万6千円
2005年 18992 1CZK≒4.6円 約8万7千円
2006年 20219 1CZK≒5.1円 約10万3千円
2007年 21694 1CZK≒5.8円 約12万6千円

2008年 23600 1CZK≒6.5円 約15万4千円

使ったもの。
・Czech Investの平均月収項目2002-2007(チェココルナ)
・上記の米ドル換算
・Yahoo!ファイナンスの過去の米ドル為替相場(日本円)
・足したり掛けたり割ったり

算出は手動です。
なのであくまで参考程度に。うひひ。

チェコは2004年5月1日からEUに加盟しました。
その後の所得の伸びは結構な感じですね。4年目で約2倍に。

ちなみにビールはというと、
街中のパブで、500mlのジョッキ生→25CZKくらい
グラスワインも安いのは25CZKくらい
こっちでは、水のほうが高いです。

卵6個(わりといいやつ)→35CZK
Lサイズです。

ガソリン1㍑→33CZK
車乗らないのであんましわからん。

中華レストランのテイクアウト→80CZKくらい
プラハには山ほど中華レストランがあります。
モンゴル人がやってたりもします。
どこも微妙に味が違うけれど、チェコ人に判別可能かどうかは謎。

逆に、西欧から輸入するものは高いです。
コンバースのスニーカー →日本だと4000円くらいのが6000~7000円とか。
コーラ →スーパーマーケットで22CZKくらい

ま、なんとなくですが。



実は、今年の7月8月と過去最高のチェココルナ高になったんです。
そのレートや、1CZK≒7.5円。2002年と比べるとまさに2倍以上。

現地の人達はそんなに実感ないかもしれませんが、外国人にとってみたら
すべての物価が2倍以上。モノの値段そのものの値上がりもありますから、
体感では3倍近いかもしれません。


で、なんでしたっけ。
あぁ、そうだ。

今年の夏はコルナ高で日本(海外)からの観光客は苦しんだのですが、
ここのところ、ねぇ、例のサブプライムなんとかでバブルがはじけ気味なんですよ。

スウェーデンやデンマークでもユーロ導入を叫んじゃったりなんかして、
世界中が必死ですね。チェコもご多分にもれず。

夏に1CZK≒7.5円だったレートも、秋が深まる今日この頃じゃ1CZK≒4.8円ですよ。
3年前のお値段ですよ!

この、4円台に突入したことへの驚きをどうしても表現したかったのに、
なんだろう、この今までの流れは。


とりあえず、今持ってる福沢諭吉をパラツキーやニェメツォヴァに変えるか、
やたら悩ましい。



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カメラは持ってきたのに、充電器を持ってこないという失態により写真が撮れません。
国のおっかさんに送ってもらうか、プラハに遊びに来る人に託すかしないと。。。
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by chikara_mikado | 2008-10-24 07:41 | チェコのこと

プラハを歩けば関係者に当たる

さて、プラハに戻って1週間が経とうとしています。

せっかくなので、週に1度くらいのペースで近況報告も兼ね、
記事を書いていこうと思います。最初の3週間が特に見物です。

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イギリス資本のスーパーマーケット、「TESCO」。
プラハのいたるところにあり、市民の生活用品やら食料やら
日常生活に必要なものほぼ全てがこの店で手に入ります。

そんなTESCOで、ニンニクを買おうとレジに並んでいた時のこと・・・

我流ペペロンチーノを作ろうと材料を買い集めましたが、
ニンニクを忘れていたことに気がついた僕は、次の日に
改めて買いに行くことにしました。

一固まりを袋に入れ列に並んでいたら、レジのおばさんが突然叫びました。シャウト。
ビクッとしてキョロキョロしましたら、どうやら後ろの女の子に声をかけた様子。

「くぁwsでfryふじこlp;☆」

顔を見合わせる僕とその子。

「くぁwsでfrtgyふjきおlp☆」

どうやら、女の子がキャッシャーの下に買い物かごを置いたことを怒ってるみたいです。
結構激しい怒りです。

怒りで目が眩んだのか前のお客の商品の値段がわからず、
席を立ったおばさんはどっかへ行ってしまいました。
ものすごく自由。

手持無沙汰の僕らは世間話を始めます。

「やぁ、どっから来たの?」

「私、フランス。私の国ではレジの下にかごをおいても平気なのに・・・、
それにちょっと怒りすぎじゃない?」

「うーん、観光?学生?」

「学生よ、まだこっちに来て3週間くらい。」

「そっか、まぁそのうち慣れるんじゃない。僕も学生、映画をやってるんだ。」

「え!?私もよ!」

「学校は・・・?」

「FAMU」
「FAMU」

「・・・」

「わはは、びっくりした。こんな偶然もあるんだねぇ。」

「うわー、すごいすごい。」


レジのババァが戻ってくる。
颯爽とにんにく一玉を買い終えた僕は、紳士風に待機。

っと、なぜかフランス女子が赤くなっている。
どうやら財布を忘れてきたようだ。かなり挙動不審だ。
無理もない、さっきまでどーせわかるまいと英語で文句ばっか言ってたんだから。
これで払えなかったら、気持ちいいくらいカッコ悪い。

ということで、お金を貸してあげたのです。
同じ学校だし、見かけたら今度返してねってことで。

そしたら、家がすぐ近くだから時間があるなら帰りに寄ってかない?
なんてまるでドラマのような流れ。

その子は監督志望で、一本映画を撮り終えたご褒美と友人の別の作品の小道具を兼ねて、
部屋でみんなで食べるべくケーキを買いに来ていました。

プラハ城でも散歩しようかと思ってた僕は、時間があまりに余っていたので、
2秒でOK牧場。流石にパリジェンヌには通じません。

彼女のルームメイトは、スロヴェニア男子・アメリカ男子・ノルウェー女子という
なかなかの国際部屋。ノルウェー女子を除いて全員がFAMUの学生。


スロヴェニア男子が部屋で短編映画を撮っていました。
お祝いのはずのケーキが早速小道具に変身。
妄想誕生日パーティーのワンシーンだそうです。

なぜか不自然な笑顔でテーブルに着席している日本人。
撮影に口を出しつつ、エキストラとして出演。

5回ほど撮り直して、ようやくOK。
ケーキもだいぶロウソク味が染み込んでいそう。
ガヤガヤ食いながら、自分の仕事を多少説明して、お暇してきました。

現在の居候地から歩いて5分のところにある国際部屋。
今後の展開が楽しみなり。
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by chikara_mikado | 2008-10-13 08:01 | チェコのこと

さて、大韓航空に乗ってきたわけなんだが。

いつも空港についてチェックインする際に欠かさないことがある。
避難口近くの席か、クラスの境目か、でっかいスクリーンの前(前が壁)か、
とにかく足が伸ばせてすぐ逃げられるところに席を変えてもらうのである。

これが意外と快適な旅を生むわけで。

機内のお姉さんと話せるわ、周りに気を遣わんでいいわ、
座ったままこっそり伸びもできちゃう。

で、いつもと同じく大韓航空のカウンターで200%の笑顔を作ったのです。
そしたらそしたら、成田→ソウルは非常口横のお見合い席、
ソウル→プラハはスクリーンの前の席・通路側をいとも簡単に抑えてくれたの。

成田からソウルまでは2時間だから、多少過酷な状況でも我慢できるんだけど、
ソウル→プラハは長い道のり(11時間)、だから発券してくれた娘っ子の前で
小躍りを披露してあげたら、苦笑した顔にえくぼができてた。

恙無くソウルに着いたあと、わずか1時間半の乗り継ぎ待ちで次の飛行機へ。
仁川の空港はいたるところにコンセントがあって、PCやり放題。さすがネットゲームの国。

そして、ソウル→プラハの便でウルトラハッピーなことが。


・・・

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スクリーンの前の席、俺しか座ってない。
席4つ全部俺のもの。毛布も4枚俺のもの。枕も4つ俺のもの。Yes!!!
オイラ寝ちゃうよ、直立不動で真横に倒れて寝ちゃうよ。

あぁ、そして、なんとこの席にもコンセント付いてる。
エコノミーで電気取れるってすごいんじゃね。

でも見渡すと結構空席あり、なんで空いてんだろ。


大韓航空ね、初めて使ったのよ。
なんとなく避けてて、今回日程と予算がばっちり噛み合ったから、
しょうがないか・・って感じであんまり期待してなかったのよ。

しかししかし!

サービスもいいし、お姉さん優しいし、席の融通は利くわ、人少ないわ、
コンセントあるわ、飯結構うまいわ、なんなのこれわ。

あ、それに安いし。

これってすごいんじゃない?
とりあえず、かなり好感度上がったよ。
もう1回使って同じクオリティだったら、新たな選択肢ですな。







そうそう、機内がキムチくせーって噂だぜ!って叫んでいた僕の友人へ。
まさに君の言うとおりだった。

乗客が一斉にビビンバをかき混ぜだす光景は、、、凄かったぜ。
でも、美味かったぜ。
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by chikara_mikado | 2008-10-08 07:35 | 旅行

DPRK

これでもかっていうくらい遊び呆けた1ヶ月でした。
ちょっとくらい生産的なこと始めないと。

暫定的ですがプラハには10月の初め頃戻ることにしました。
今、家探し中です。

僕をチェコに送り出した大使館の書記官と会ったところ、
もう少し肩の力を抜いて気楽にやったらどうだと、
気の抜けるアドバイスを貰ったので、その通り気が抜けました。
だいぶ楽になりました。

後1年、来年の夏までもうひと踏ん張りですな。

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ところで彼は、現在北朝鮮に赴任しています。
「外交やら国際状況やらを勉強するのにうってつけの国だ!」と。

そんな彼がお土産に持ってきてくれたのは・・・

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メイド イン ノースコリアのマグカップ。
あの国のものを外国人が手に入れる機会はなかなかないです。
しかしまぁ、このしょぼさはたまりませんが。

DPRKというのは、Democratic People's Republic of Korea の略で、
朝鮮民主主義人民共和国が漢字表記になりますが、
どこらへんが民主主義なのか小1時間問い詰めたい。

プラハ滞在話をするつもりで会ったのに、
北朝鮮滞在話で盛り上がる2時間。
メディアはこんなにも情報操作されてんのか(してんのか)、
という嘆きと驚きと怒りと無関心でした。



オリンピックも終わり、
中国やらあそこらへんの動きが心配ですね。
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by chikara_mikado | 2008-08-25 19:25 | 雑記

石?意志? チラシの裏。

ほどよく酔った帰り道、共に行こうと見つけた石ころを蹴っていた。

まっすぐな道で思い切り蹴とばしたソイツは、どこかに消えてしまった。

立ち止まって探しても、もうどこにもいない。

しょうがないので歌いながら家の扉を開ける。

さて、俺はどこに帰るんだろうか。







といった気分の今。
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by chikara_mikado | 2008-07-07 08:18 | 雑記

前回のくだらない話を書き殴って以来、早一ヶ月強が経とうとしています。

もうプラハは完全に夏。
日本の梅雨は明けましたか?

さて、夏休みの一時帰国が決まりました。
7月22日にプラハを出てナポリへ、そしてローマを経由して成田に。
8月頭には家の近所のラーメン屋で泣きながら丼ぶりをすすっていることでしょう。

で、帰国前の一大イベント。


"マイム能楽集「鵺(ぬえ)」 in Praha and Bratislava"

昨年秋にプラハで行った「道成寺」が、そこそこに評価され、
今度はチェコとスロバキアの2カ国公演となりました。

今回は、作品を除く1から10までを一人で調整してきたので、
似非プロデューサーから似プロデューサーくらいには進化したと思われます。

以下詳細。

7月8日(火)、9日(水)
スロヴァキア:ブラチスラヴァ
divadlo A-ha 19:00~

7月13日(日)
チェコ:プラハ
divadlo Ponec 20:00~

参照記事(チェコ語)

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ではでは、また。
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by chikara_mikado | 2008-07-06 19:31 | チェコのこと

犬袋

いやぁ、ご無沙汰していました。
ここプラハもすっかり暖かくなりました。

24時間営業のトラムがあるので、健全に夜遊びしている毎日です。
こっちは夜9時でも明るいので、必然的にスタートが10時とかになるわけです。

ううむ。早く帰るのは野暮です。

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さて、犬袋。

と言いましても、こんなのじゃないです。
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今ここで少しばかり触れたいのは、犬の落とし物袋。
てっとり早く言やウンコ袋です。

ヨーロッパの都市には、街のいたる所に
犬用のウンコ袋が設置されているのです。

公演や散歩道はもとより、繁華街しかり。
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表に印刷されている犬のデザインが多岐にわたり、
素材も紙やビニールで、色もカラフルと
妙なものに惹かれた僕は、旅先で取り憑かれたように

「例の袋はどこかねー。犬袋はどこにあるのかねー。」

と、呟きながら街を徘徊しているのであります。


プラハという街は、いくつかの地区に分かれています。
1区は、プラハ城から街の中心へと広がり、
2区は、ブルタヴァ川の内側、市街地で、
3区は、学生の街、安くて安い物件が並びます。

ちなみに私は広域地図の中心点から北限に向かって上昇、地図にギリギリ載ってんのか、
というプラハ8区に住んでおります。

年々これらの地区は増えていて、所持している地図には15区まで、
風の噂ではすでに20数区、大使館関係者に聞いてもズバリッな答えは
返ってきませんでした。

なぜ、こんな話かと言いますと・・・

この犬袋、どうやら地区ごとにデザインが違うみたいなんですねー。
面白いですねー、凝ってますねー、メンドクセー。
プラハは紙製が主流の様子。

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そして、スコップ付きという至れり尽くせりなサービス。
むしろこのサービス精神はレストランで欲しい。


ところで、チェコは犬天国。
地下鉄もバスもトラムも我が物顔でお犬様が乗ってきます。
犬とともに学校に通う飼い主も。
しかしどの子もしっかりと躾られていて、
なかなかの紳士淑女ぷりです。

”飼う”というよりも、”共同生活をする”って感じが、とてもよいです。


他の都市にもありました。

スイス、ジュネーブ
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スイス、チューリッヒ
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ハンガリー、ブダペスト
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ポーランド、クラコフ
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そしてチェコ第2の都市、ブルノ!
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やべっ、上下逆だった。
いやそんなんどうでもいいし、てゆかナニコレ。
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by chikara_mikado | 2008-05-25 01:43 | チェコのこと

勝訴 その後の報告

プラハ公共交通公社からの手紙の後、約1週間が過ぎた。
今度はチェコの郵便局から一通のピラピラ。
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郵便小切手のようなもの。


どうやら、申し立てに対する謝罪とお金の問題は管轄が違う様子。
どこの国も縦割りで大変ですね。

というわけで、今度はその小切手を持って
郵便局に換金しに行かねばなりません。
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最初のトライでは、身分証にパスポートのコピーを提示したため
鼻でフンッとやられて、追い返されました。

気を取り直して2度目の挑戦です。
オリジナルのパスポートを持ち、ぎこちない作り笑顔を用意しました。
つまらなそうに小切手を受け取ると、ようやく現金の受け渡しが終了。

長かったこの問題にもついにケリがつきました。
中央郵便局の門を出た時の風が気持ち良かったことこの上なし。
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「日本人は世界で最も質の高いサービスを要求するワガママ人だ。」

と、ニーチェあたりが言ってそうですが、とはいえ
チェコのこの対応は余りに手が込みすぎていると感じました。

日本において、券売機等でトラブルがあった場合、

自己申告→お金を本当に入れたか確認(あくまで確認、たまにない場合も)
→駅員さんからお金をもらって終了

早ければ2分で終わります。

しかし、ここチェコでは、

自己申告→疑いの眼差し→再度申告→たらい回し→再度申告→開き直り
→怒りとともに再度申告→調査期間2ケ月→謝罪の手紙→更に1週間後郵便小切手
→自ら郵便局に行って引き換え(ちなみに2度訪問)

というプロセスが必要になります。

晴れて全ての問題が解決し、失われし現金が手元に戻ってきたのが
事件日よりちょうど3か月。季節が変わってしまいました。
途中であきらめる人々の話をよく耳にします。

というわけで、プラハの券売機にはご注意ください。
旅の思い出と許せる心の広い方は全く問題ありませんが、
気になっちゃう人は駅の売店等で売り子さんから購入するのが吉。
必ず取り扱っていますので。
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by chikara_mikado | 2008-04-07 00:06 | 気になった画像

女心と春の空

プラハに来て半年が過ぎた。

初めて超えたヨーロッパの冬は思いのほか厳しく、
何度か風邪をひき、灰色の空のお陰で光合成不足であった。

3月を迎え、しばしば気持ちの良い日差しと穏やかな風が吹く
暖かい日が訪れるようになった。

芳しくなかった調子もつられて、復調の兆しを見せている。


突如、


風は手のひらを返したように冷たくなり、
雲は日を隠し、雨を落とし始め、
やがて、雪となり、時に雹となる。

しかしその怒りも束の間、すぐに元通り。
優しい世界が帰ってくる。

面白いことに、この過程は混ぜこぜにやってくるのだ。

暖かい陽気の中、酷く冷たい風が吹き、
すごい勢いで前方から雨が近づいてきたり、
強い日差しの中、雪がちらつく。

雪は勢いを増し、ほほを打つ。
目を閉じてじっとしていると、いつしか太陽が戻ってきている。

飴と鞭を繰り返す日も多い。
女に振り回される男の如く、天気に振り回され、
一喜一憂する僕は、チェコ人から教わったことがある。


この激しい天気の移ろいは、”嘘みたいな天気”ということで

「Aprílové počasí」 (April Fool's Weather : 四月バカの天気)

と呼ばれ、毎年この時期に必ず訪れるらしい。
この時期が明けないと、本当の春はやってこないと言う。

彼らは春の為に、この天気と折り合いをつけ、長年付き合ってきているのだ。
突然現れる降雪の日々は、いつしか消えていく。
そうして、ようやく花々が安心して咲けるのだ。


そこまで来ている春の足音に、ふと梅雨明けの夏の匂いを思い出した僕は、
海の風がないチェコで無性に懐かしさを感じた。

こういう日は、やけにお腹がすく。

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by chikara_mikado | 2008-03-29 11:36 | チェコのこと

鈍行で行く:スロヴァキアへの旅 1

遣る瀬無いここ数日の報告をしたいと思います。
ところどころ回想風に。

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今は、午前0時を回ったぐらいだろうか。
そろそろ2軒目に移りそうだ。

F氏は5年のオツトメを終え、3月20日の17:00に日本に帰国する。
日付が変わったので、今日はもう3月20日だ。

色々とお世話になったF氏の最後の酩酊会となれば参加も必然。
たとえ次の日に、朝一番の列車でスロヴァキアのブラチスラバに旅立ち、
大使館にて文科担当官に会うという用事があろうとも。

「HUSA」(パブ)→大人なBar→「ZERO」(小さなクラブ)とはしごして明け方5時。
アサ5ジダヨ。

F氏>後あと2時間で帰国。
ボク> 7:30の列車まであと2時間ちょい。
プラハ>冷たい朝に切れそうな空気。

家までは、約1時間の道のり。
一度家に戻り体をキレイキレイすることを考えると、かなり厳しい。

っと、トラムが目前で逃げて行く。
30分待ち確定。

もはや猶予はない。
せめて服を変えたい。

頭の中で何度もシュミレーションを繰り返します。


・・・


なぜか、風呂場で鼻歌を歌っているボク。
酔っ払いは無意識のうちに服を脱いで、風呂場に向かってました。
もうこうなったらやりたいだけやって、家を出ればいい。


・・・


当然ながら予定の列車には乗れません。
寒い朝、痛い頭と共にプラットホームで修業です。

小一時間後、ブラチスラバ行きではなくウィーン行きの列車がやってきました。
方向は一緒なので、途中で乗り換えれば大丈夫でしょう。
酒が残っていると気持ちが大きくなります。
皆さん気をつけてください。

チケットの確認に来た車掌さんに、なにやら金を払えと言われています。
どうやらこのチケットだけではご不満のご様子。
オーストリア帝国行きは、全席予約が必要ですかそうですか。

言われなき追徴金を払い、国境付近の駅Breclavで下車するボク。
すごくものさびしい駅。

というのも駅が、どこもかしこも工事中。
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ワハハー、ユキガフッテキタ。

とはいえ、まだ理性が残っているボクは、紳士風に駅員さんに尋ねます。

僕:「Bratislavaにはどう行ったらいいですか?」
駅:「エイゴワカリマセーン」

シット。

と、そこに同類の、つまりは少し顔が赤いオッサンが間に入ってくる。

オ:「どうしたよ?」
僕:「実はBratislavaまで・・」
オ:「それならここさ!」
僕:「ハヤッ。」

(なんか怪しいな・・、人のこと言えないけど。)
(後ろにいたお婆さんは、奥さんだろうか。)
(まぁ、夫婦なら平気かな。)


とりあえず、駅員さんも頷いてるのでここで待つことにした。
ベンチに腰掛け本を取り出す。
かじかむ手でページをめくっているうち・・

オ:「こっちだ!これだ!のれ!」
僕:「ちょ・・」
オ:「いいからのれ!」
僕:「ブラチスラバだよ?」
オ:「だいじょうぶだ!」
僕:「ブラチスラバだよ?」
オ:「だいじょうぶだ!」
僕:「ブラチスラバ・・」
オ:「まかせろい!」

自信満々に乗り込んでいきます。
つい流されて、弱気に乗り込むボク。

10分ほど経って、

オ:「ここだ!」
僕:「ンナアホナ。」
オ:「おりるんだ!」
僕:「あぁ、やってもうた。ただの酔っ払いだ。」
オ:「ここでのりかえだ!」
僕:「むむ。」

降り立った駅は「Lanzhot」。
チェコ側の真の意味での国境駅。隣のスロヴァキアまで10キロありません。

時刻表を見ると、確かにブラチスラバ行き列車がここを通ります。
次の列車は20分後です。

ヤッタネ!

オッサン、ありがとう。
じゃあ、バイバイ。

と思いきや、

オ:「こっちだ!」(待合室へ)
僕:「ちょ、、」
オ:(待合室のベンチに座った奥さんに荷物を渡すして、)「いくぞ!」
僕:「ど、どこへ?」
オ:(ニヤッ)

あはー、駅の裏手にさびれたパブがある。
オッサンは迷わずそのパブに猪突猛進。

(勘弁してくれよ・・)

ドアは当然閉まっている。
なぜなら、今は午後12時を回ったところだからだ。

(無駄なことはよせ。つーか、酒なぞいらぬ。)

という淡い希望もすぐに敗れ、
眠そうなランニングの太っちょが、やけにお似合いのマルチーズとお出迎えだ。

オ:「ぐへへ、おせーじゃねーか。のませろい。」
太:「しょーがねーな。その横のは誰だ?」
オ:「おれのつれだよ。」
僕:(なにこの展開・・)

太:「ビールでいいよな」
オ:「おうおう」
僕:「もうなんでもいいっすよ」(日本語で。)

満足そうにうなずくオッサン。
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太:「50KCだぞ」
僕:「僕払いますよ。」
オ:「ん、なんでだ?」
僕:「まぁ、案内してもらってるし・・」
オ:「そうか、じゃらむもたのむ。」
僕:「・・・」
オ:「がはは、じょうだんだよ。」

オ:「いやいやじょうだんだって、らむはおれがだしてやる。」
僕:(にこにこしながら日本語で)「いらんわ。」

満足そうにうなずく面々。
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あと5分の辛抱だ。
次の列車に乗れば、黙っててもブラチスラバだ。

アマカッタ・・
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お前、どう考えてもこれはローカル電車じゃないか。
チンチン電車やないか。


オ:「のれ!」
僕:「ブラチスラバ・・・」
オ:「だいじょうぶだ!のれ!」
僕:「本当につくんですか?」
オ:「もちろんだ。」

ハイ。
お次の駅は「Kuty」。
こんどは、スロヴァキア側の国境駅ですねー。

だいぶいい気分ですよー。
ラムを2杯とビールですよー。
明け方までの酒も残ってますよー
眠いですよー。

オ:「おまえのじゅうしょをおしえてくれ。てがみをおくりたい。」
僕:「はいはい。いいっすよ。」
オ:「わはは、おまえいいやつ。」

オ:「じゃ、おれここだから。」
僕:(もう驚かない)「あ、そう」

オ:「つぎのにのればぶらちすらばだから。」
僕:「はいはい、だうも。」

(去ってゆく老夫婦、残された酔っ払い青年)

僕:「すいませーん、ブラチスラバ行きの列車はどこから出ますかー?」
周囲の人々:「コソコソ」
僕:「スイマセーン!スイマセーン!」

若い女:「こっちよ」
僕:「ありがちょう!」

ついに、ついに、ブラチスラバ行の列車に乗ることができた。
無駄な乗り換えを重ねること3回。
見知らぬオッサンと仲良くなり杯を交わすこと3回。
先ほどまでの雪が嘘のように、晴れ間がのぞいた。

天が祝福した。

ちなみに、ボックス席の隣に座ったその若い女(カテリーナ:英語教師)も、
真正面に座ったお爺さん(ステファン:オーストラリアに移住していたスロヴァキア人)とも番号とアドレスを交換し、国際交流を果たしたのであった。


これが旅ってもんだね。


さて、ここまでが前半です。
時刻はまだ13:45。
酩酊度70。




ちなみに、プラハ→ブラチスラバは往復で729kc(約4500円)、直行便が出ている。
その場合、約4時間10分で到着となる。
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by chikara_mikado | 2008-03-23 06:49 | 旅行