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朝のラッシュ

お前さ、真ん中穴が開いててファッショナブルだな。

いやそっちこそ一番需要あるやん。
オレはなんか中途半端なんだよなぁ。

お前らの会話には滅入るぜ。
オイラなんか錆が猛毒なんだぞ。
まさに身から出た錆、どうだ!なんつって。ウヒヒ。

ハァ・・
こんなのと一緒にされるなんて心外ですよ。
正月のお参りとか縁結びとかなら私が一番人気なんですよ。

ボクなんか水に浮かぶことができるってぐらいしか取り得がないしなぁ。

まぁまぁ、諸君。あんまり小さなことで悩むのはやめたまえ。
何事も前向きにいくべし、ガハハ。                    

all< 額がでかいからって威張ってんじゃねぇ、黙れ

うわー、混んできたぞ。なんだなんだ。

あぁ、御釣りが全部十円の野朗なのか。
嫌がらせじゃねぇかぁぁぁ。


・・・ 気まずい状況の中、新入りどもが喋る。

あ、初めまして。
僕、五十一年です。

私、五十三年。

我、三十五年也。

アタシ、三十九ネン。

それがし、四十三年で候。

オイラ、五十六年ダヨ。

俺、四十八年。

拙者も、四十八年でござる。

お、それじゃ、俺と同期じゃーん。

I am 33 years old.

新入り、皆< 嘘こけ!

財布の中、皆<いいから、黙れ。








と、妄想が掻き立てられたのは、六本木で深酒の後、朝の駅で切符を買ったら
券売機から9枚10円玉が出てきたことに起因する。



明後日から1ヶ月海外です。てゆか例のチェコです。
7月半ばまでの逃避行。梅雨からの卒業。

持ってくもの買いに行ってきます。
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by chikara_mikado | 2007-06-13 10:08 | 雑記

同情するならパンをくれ。

お前らさ、なに上から見下ろしてんのよ。
蹴飛ばした土が俺の家に入って、汚れたんだけど。

うわ、石投げるのやめろって。

それより、その細長い棒は何よ。
青い兜まで手に抱えてるし。

まぁ、落ち着いてすわれよ。
むぅ、座っても上から目線か。

俺の寛大な心で、そこらへんのことは水に流してやるからよ。
だからパンくれ。パン。
大きいと喰いづらいから細かくしてな。

おぉ、ありがたい。
毎日これが楽しみでよ。

うむ、うまいなぁ。

モグモグ。

モグモグ。

ムグッ。

うわー、引っ掛かっちまった。
今週3回目だよ。


チッ、しょーがねーなー。

ちょっと付き合ってやるか。

いてて、そんなに乱暴に引っ張るなって。

もっと優しくしろよ。

そしたら適度に暴れてやるから。

そのかわり、早く元に戻せよ。

俺って意外と地上じゃ繊細だからな。

ぜってー、戻すとき投げんなよ。

そっとだぞ。そっと。

ヤレヤレ、ただいま。


人間の相手も疲れるぜ。
いくらエサ喰うためとはいえ、針に引っ掛かって地上に行くのはなぁ・・
年を重ねるごとにつらくなってくるぜ。

おっと、あっちでも新入りが引っ掛かってやがらぁ。
戻ってきたら、心構えを説いてやろう。










と、人生初の釣り船体験をしたことにより、釣堀の中の鯉の気持ちをふと考えた。




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by chikara_mikado | 2007-06-10 19:02 | 雑記

犬のしっぽ、それはイタリア。

ソファに座り、野菜ジュースを瓶ごと傍らに携え、
ずいぶん前に図書館から借りてきた本を開く。

2行読んで、そんな気分じゃないってことに気がついた。

目の前のただ映っているだけのテレビには、温暖化の影響で解ける南極で
しょんぼりしたクマが泳いでいる。

なのに、僕の足元には暖かい風が白い箱から届く。
我が家の犬も風をうけて、僕の足元で気持ちよく眠っている。

犬のしっぽが揺れた。

ヤツは明らかに眠っている。
寝顔を覗き込むが、やっぱり寝てる。
いい顔してる。

しっぽはとまらない。
そして、足も動き出す。

犬の寝相の良し悪しなど考えたこともないが、
お世辞にもヤツがいいとは思えない。

まるで立ってるのが面倒くさくなって、そのままばったりと
横に倒れたように4本の足を投げ出している。

後ろ足が駆け出した。

夕暮れ時の暖かい海岸で、尾を振りながら一目散に駆け寄って行く。
そんな夢を見てるんだろうな。

しっぽが目の前でさらに揺れる。
駆け出した足は静かになった。

どうやら、お目当ての人にたどり着いたようだ。


僕だといいな。


リンゴの味がする罪悪感と幸福を一口で飲み込んだ後、
スイッチを消した。
テレビもエアコンも、本もライトも。


今度は僕がその夢を観られるように。
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by chikara_mikado | 2007-02-26 02:38 | ヨミモノ

今日の日はさようなら

暗闇の中で目を開けた男は、途方に暮れた。
自分がどこにいて、誰なのかも、そこに本当にいるのかさえ、わからなかった。
もう一度目を閉じて、また開けてみる。
儚い期待は、当然のように裏切られ、男はそれを受け入れるしかないと悟った。

幸い体は無事のようだ。
長いこと横になっていたのか、節々が痛むけれど、これといった怪我はない。
立ち上がった男は、辺りを見回す。
暗闇に目が慣れてきたが、どうやらそれほど大きくない部屋の中にいるようである。
部屋はひんやりとしていて、無機質だ。

壁伝いに手探りで歩くと、小さな窓を見つけた。
開けてみる。


その瞬間に、地面がぐらついた。
地震だ。結構大きい。
窓の外も大きく揺れている。
人々の怒号と泣き叫ぶ声が絶えず聞こえてくる。
逃げ惑う人々、倒れてくる建物、西のほうがやけに明るい。
「火事か・・」

男は、あせった。早くここから出なくては。
幸い、窓からの薄い明るさで、大まかにだが部屋が見渡せる。
窓の反対側に扉のようなものがある。
男は走りより、開けようとするが、何かがおかしい。
取手がないのだ。押しても引いてもびくともしない重い扉。

諦めた男は、もう一度小窓を覗く。
赤く明るかった外は、黒く深く静まっている。
少し離れたところで葬式が行われているようだ。
さっきとは全く違う外の様子に男は戸惑った。
「どうなっているのだ・・」

そうこうするうちに参列者が集まり出した。
いったい誰の葬式というのだ。
窓の外の情景がゆっくりと動き出す。

亡くなっていたのは、3人の家族であった。
若い娘とその両親だ。
参列者の悲痛な嘆きが聞こえる。

男は、激しい違和感を覚えた。

そう。
彼らは男の両親と妹であった。
男の家族だったのである。

状況を飲み込めない男は、考え込んだ。
いったいこれは何だろう。

落ち着きを取り戻すために、男は煙草を探した。
無駄な労力を費やした後、最後に胸ポケットに手をやると、
何か紙切れが入っていた。
窓からは、室内の線香の臭いと光が漏れてくる。

男は紙に目をやった。

旅行代理店の領収証とスケジュール表のようだ。
「あぁ・・ そうか。」

男は思い出す。








死にずいぶんと近い場所にいたように思う。
しかし、自らそれを選ぶほど弱い人間でもなかった。
ただ、“やるべきこと”が見つからず、生きる目的がなかったのは事実で、
どうせ生きていてもしょうがないのなら、最後に何か面白いことでもしたいもんだ。
そう考えていた俺は、どこか遠くにでも遊びに行こうかと、街角の旅行代理店に入ったのだ。

相変わらずの一番人気は、過去への旅だ。
途方もない金額と待ち時間をかけて手に入る、やり直しの人生。
けど、その金額が出せる奴の人生って、やり直すほどのものなのか。

俺の担当は、若い社員だった。
「なんか疲れちまったんだが、いい場所あるかね」
「癒しの旅ですか。勿論数多く取り揃えていますよ」
「いや、違うんだ。本当に疲れたんだ。どこか遠い場所ないかね」

社員は、考え込んだ。
「それじゃ、お客さん。未来への旅、試してみますか?」
「なんだいそれは。」

「少し説明させていただきます。」

過去への旅が注目を集める変わりに、未来への旅はあまり知られていない。
それもそうだ、わざわざ金払って生きる時間を短くするんだから。
料金だって俺の手が届く範囲のものだし、待ってる奴なんかいない。

時間の旅には、いくつかルールがある。
誰が定めたか知らないが、"決められている"というより、"そうなっている"のだ。

大きく分けて3つある。
・行き着く先の状況は変えられない。
・その状況は、今までの人生を踏まえて、幸福と不幸が等しくになるように設定される。
・元の時代には、決して戻ることはできない。

いつへ飛ぶかは、寿命が許す限り自分で自由に決められる。
とにかくその時の現状から逃げ出せれば何でもよかった俺は、早速申し込んだ。

どこか遠いところ・・ ピッタリだ。
それに、今までが酷かった分だけ、少しはましな人生になってるかもしれない
という淡い期待もあった。

俺は10年後を選んだ。








冷たい床に座り込んだ男は、もう一度その紙切れを覗き込んだ。
スケジュールかと思っていたその紙は、男の旅立った瞬間から今までの年表だった。
どうやら、あの窓から知っておくべき自分の史実を見ることが出来るらしい。
いや、寧ろその史実を確認し終わったとき、あの扉が開くんじゃなかったか。
そんなことをあのときの担当者に言われた気がする。

また、窓を開けてみる。

男は、妻を娶っていた。
孤独を背負い続けてきた男にできた、新しい家族だ。
ささやかではあるが、幸せな家庭である。
男の顔に笑顔が訪れた。

そうだ、幸せだって訪れるのだ。
今までの分を取り返さなくては。

女は決して美人とはいえないが、愛嬌のある顔立ちだ。
何より優しさが滲み出ている。
男もようやく落ち着くべき帰る場所ができたのだ。

男は満足げに、窓を閉じた。

伸びをして、周りを見渡す。
もしかしたらこの部屋は、俺の頭の中なのかもしれないな。
そんなことを考えながら、窓を開いた。

自分の家が崩壊している。また地震の場面か、と思ったがどうやら違うようだ。
銃声が聞こえた。紙に目を落とす。

戦争だ。

観たくない。

とっさに窓を閉じようとしたが、動かない。
それは意志を持っているかのように、頑なに、
男の閉めようとする力を無力化し続けた。

友と呼べるのかどうかは、わからない。
ただ同じ学校を出た奴、職場が同じだった奴、知り合いが大勢死んだ。
自分の生まれた土地に愛着があったと、そのとき初めて気が付いた。
原形をとどめることなく、火の海になってから。

男は、妻が見当たらないことに気が付いた。
気狂うほどに、必死に妻を探したが見つけることはできなかった。
やっと手にした幸福は、こうもあっけなく零れていくものなのか。

男は、泣いていた。

「俺はなぜ、こんな思いをしてまで生きているのだろう。」

なぜだ。
ルール違反だ。
何が幸福と不幸が等しく、だ。
俺には不幸なことばかりが起きるじゃないか。
男は、やり場のない怒りを抱き、そして悲観した。

しかし、ふと気付いたのだ。
それでも自分が生きていることに。

家族を失い、故郷を失い、知り合いを失い、愛する妻を失っても、
それらへの対価として、男は自分の命を保っていた。

窓を閉めた刹那、背中の方で扉が開き始めた。
ついに男は、外に出ることになる。




外は少し寒く、雨が降っていた。
「こんな薄暗い気候まで、付いて廻るのか」と毒づいた。

男は、歩きだした。
水溜りに映った自分の姿を観たとき、男はため息をついた。
儚い期待と知りつつも、もう一度目を閉じた。

水溜りと思ったのは、妻の瞳だった。
雨はやみ去り、光を感じる。

そうだ、俺は生きている。
しかも一人じゃない。

瞳に映る自分が消え、妻の顔が涙でにじんだ。
遠くで、銃声が聞こえた。
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by chikara_mikado | 2006-12-04 10:56 | ヨミモノ

「麻雀は人生の縮図です」

と、誰かが言ったかもしれないし、誰も言ってないかもしれない。

先日のこと、ある省庁で働く友人に連れられて、
庁内を社会化見学よろしく一回りしたのです。

一通り見終わった後、友人が、

「ここは本当は内緒なんだけど・・」

と、ややぎこちない様子で私を通してくれたのは、地下3F。
そこは、ある種異様な雰囲気に包まれた娯楽場のようでした。

そこの庁内で働く人間のストレスの発散場とでも申しましょうか、
ワンフロアぶち抜きで、入り口付近には物々しい警備と入場チェックがあり、
左奥の隅にはカジノばりのトランプテーブルが設置されている。
さらに、そこから右のほうへ視線をずらせば、全自動麻雀卓が数台。
残りのスペースでは、小役人どもが泥のように駄弁っている。
ようは、歓談の場とでもいうやつか。

金の話、女の話、食い物の話、俗に塗れた奴らは、昼間っから仕事もせずに
酒をあおり、肉を貪り食いながら下品な笑い声をあげている。

「あぁ、なんだこれは。こんなことが許されるのか。」
「税金の無駄遣いだ・・」

と、思いつつも誘われるまま麻雀卓に座り込む私。
面子を見ると、友人の他に、しょぼくれたオヤジ風と
何を気取ったかスーツにサングラスを合わせたなりきりギャンブラーが座っている。
しかし、どんな奴であれ、ここにいるってことは役人には違いないのだ。

「ここのルールは普通のとちょっと違うんだよ」

と友人に説明を受けるが、どうも遊びとしても麻雀というよりは
単純に金をやり取りするためだけのゲームのように成り下がっているようだ。

どうやら、ここでは1局ごとの清算で、それぞれ1局毎にレートが違うらしい。
何でも配牌が配られた後、皆で審議するらしいのよ。何を?レートを。
つまり、ポーカーの掛け金UPの心理戦みたいなものなのだ。

しかし、ポーカーと違うのは降りることができないこと。
上がれば上がるほど、しょぼい配牌の人は悲しいだけ。

あとは普段どおりのルールらしい。
ま、とりあえず1局やってみようか、と卓のスタートボタンを押すと、
通いなれた雀荘が如く、牌があがってくる。

「素晴らしい牌牌だ!」
「こりゃ、いけるぞ。払った税金を還付させてやる!」

心躍った私は、はやる気持ちを抑えつつ、提言した。

「1000点1000円で如何でしょうか?」

「おっと、なかなかいい感じらしいね」
「怖い怖い」
ショボクレ親父が口を開く。

「あひゃー、レイズしちゃうぜ、2000円」
勘違いギャンブラーは、頭まで勘違いらしい。

「まぁ最初だし、優しく行こうか。じゃ1000点2000円ってことで決定ね」
友人が取りまとめて東1局がスタートした。

いきなりの親番だ。局が進むうち、迷うことなく聴牌まで漕ぎ着けた私は、
高らかにリーチを宣言する。観て欲しいこの素晴らしき手牌を。

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程なくして、勘違いから当たり牌が出た。

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安めだが、この際文句は言えまい。

「リーチピンフリャンペーコドラドラ、跳ねたな」

き、決まった・・ 格好よすぎる、俺。











「待て待て、なんかおかしいぞ」
と、勘違いが言う。

「この素晴らしいアガリにケチをつける気か、不届き者め」
「さっさと払えこの野郎」

と思ったのも束の間、背筋が凍った。
親父と勘違いはおろか、友人までもがニヤニヤしてる。

そう。

よく観れば分かるが、この手配は張ってない。
頭がないのだ。

なんだこれは。なぜこんな理不尽なことが起こる。
俺のせいなのか?お前のせいだ!
しかも親なんだぞ。チョンボは4000ALL払いだ・・
つーか、1000点2000円のレートなんだぞ。
あり得ん、あり得ん、あり得ん。

と、自我崩壊の序章が始まりそうな場面で、

目が覚めた。
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by chikara_mikado | 2006-11-12 14:39 | ヨミモノ

サヨナラが言えない

時は5月の始め、学校の休みとキミの誕生日がうまく重なったんだ。
よく覚えている。

生憎その日の午後は雨模様だった。
ボクとキミにとっての、初の泊まり旅行だったのに。
ボクたちはお互いに、親に嘘を言い合って家を出てきたんだ。
行きの電車は、無理に笑い合っていたような気がする。
あの雨が、後ろめたさも洗い流してくれればよかったのに。

ボクたちのことを知る人が誰もいない、よその町に降り立つ。
多分ボクは、キミのことが大好きだったんだろう。
親や兄弟や友達に干渉されずに、自分だけがキミを独占している、
そんな状況に酔ってみたりもしたんだ。
誰にも邪魔されない、二人だけの世界が、そこにはあったから。

空が暗くなるにつれ、雨脚は痛烈になった。
海岸通りは風が巻き起こり、少し気の早い台風が来ているようだった。
人通りが絶え、ただ雨音だけが不気味な静けさを紛らわす。
傘の意味がなくなりかけた頃、ようやく目的の建物が見えてきた。
無機質な音声に導かれて、ひんやりとした部屋へと進む。

部屋に足を踏み入れた瞬間から、お互いに言葉を忘れたようだった。
二人ともずぶ濡れで、洋服の裾から水が滴る。
感情がうまく言葉にならず、外の荒れ模様がそれを助長させる。
ボクたちは、別にこれが初めてってわけじゃない。
でもなぜか、黙ってた。

そのうちに、手が触れた。
半年前に初めて重なり合ったあの時が鮮明に蘇ってきた。
電気が消えたままの部屋で、二人は見つめ合い、貪るように求めあった。
「今日が地球最後の日で、残ったのは二人だけ。さぁ、どうする?」
そんなクイズが流行ったことがあったね。
まるで、その答えみたいな感じ。

若かったあの頃、交わす愛の言葉さえ幼かったはず。
それでもキミは返事をくれたね。
ポケットに忍ばせていた安物の指輪を渡したとき、
君の顔は泣き笑いでクシャクシャだったよ。
でも、これから先に誰と一緒になったって、二度と出会うことのできない素敵な笑顔。

今も、江ノ島辺りを通り抜けるとやけに胸が痛むんだ。
戻れない過去と今の狭間に一人取り残された気がして。
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by chikara_mikado | 2005-10-09 04:34 | ヨミモノ