遣る瀬無いここ数日の報告をしたいと思います。
ところどころ回想風に。 -------------------------------------------------------- 今は、午前0時を回ったぐらいだろうか。 そろそろ2軒目に移りそうだ。 F氏は5年のオツトメを終え、3月20日の17:00に日本に帰国する。 日付が変わったので、今日はもう3月20日だ。 色々とお世話になったF氏の最後の酩酊会となれば参加も必然。 たとえ次の日に、朝一番の列車でスロヴァキアのブラチスラバに旅立ち、 大使館にて文科担当官に会うという用事があろうとも。 「HUSA」(パブ)→大人なBar→「ZERO」(小さなクラブ)とはしごして明け方5時。 アサ5ジダヨ。 F氏>後あと2時間で帰国。 ボク> 7:30の列車まであと2時間ちょい。 プラハ>冷たい朝に切れそうな空気。 家までは、約1時間の道のり。 一度家に戻り体をキレイキレイすることを考えると、かなり厳しい。 っと、トラムが目前で逃げて行く。 30分待ち確定。 もはや猶予はない。 せめて服を変えたい。 頭の中で何度もシュミレーションを繰り返します。 ・・・ なぜか、風呂場で鼻歌を歌っているボク。 酔っ払いは無意識のうちに服を脱いで、風呂場に向かってました。 もうこうなったらやりたいだけやって、家を出ればいい。 ・・・ 当然ながら予定の列車には乗れません。 寒い朝、痛い頭と共にプラットホームで修業です。 小一時間後、ブラチスラバ行きではなくウィーン行きの列車がやってきました。 方向は一緒なので、途中で乗り換えれば大丈夫でしょう。 酒が残っていると気持ちが大きくなります。 皆さん気をつけてください。 チケットの確認に来た車掌さんに、なにやら金を払えと言われています。 どうやらこのチケットだけではご不満のご様子。 オーストリア帝国行きは、全席予約が必要ですかそうですか。 言われなき追徴金を払い、国境付近の駅Breclavで下車するボク。 すごくものさびしい駅。 というのも駅が、どこもかしこも工事中。 ワハハー、ユキガフッテキタ。 とはいえ、まだ理性が残っているボクは、紳士風に駅員さんに尋ねます。 僕:「Bratislavaにはどう行ったらいいですか?」 駅:「エイゴワカリマセーン」 シット。 と、そこに同類の、つまりは少し顔が赤いオッサンが間に入ってくる。 オ:「どうしたよ?」 僕:「実はBratislavaまで・・」 オ:「それならここさ!」 僕:「ハヤッ。」 (なんか怪しいな・・、人のこと言えないけど。) (後ろにいたお婆さんは、奥さんだろうか。) (まぁ、夫婦なら平気かな。) とりあえず、駅員さんも頷いてるのでここで待つことにした。 ベンチに腰掛け本を取り出す。 かじかむ手でページをめくっているうち・・ オ:「こっちだ!これだ!のれ!」 僕:「ちょ・・」 オ:「いいからのれ!」 僕:「ブラチスラバだよ?」 オ:「だいじょうぶだ!」 僕:「ブラチスラバだよ?」 オ:「だいじょうぶだ!」 僕:「ブラチスラバ・・」 オ:「まかせろい!」 自信満々に乗り込んでいきます。 つい流されて、弱気に乗り込むボク。 10分ほど経って、 オ:「ここだ!」 僕:「ンナアホナ。」 オ:「おりるんだ!」 僕:「あぁ、やってもうた。ただの酔っ払いだ。」 オ:「ここでのりかえだ!」 僕:「むむ。」 降り立った駅は「Lanzhot」。 チェコ側の真の意味での国境駅。隣のスロヴァキアまで10キロありません。 時刻表を見ると、確かにブラチスラバ行き列車がここを通ります。 次の列車は20分後です。 ヤッタネ! オッサン、ありがとう。 じゃあ、バイバイ。 と思いきや、 オ:「こっちだ!」(待合室へ) 僕:「ちょ、、」 オ:(待合室のベンチに座った奥さんに荷物を渡すして、)「いくぞ!」 僕:「ど、どこへ?」 オ:(ニヤッ) あはー、駅の裏手にさびれたパブがある。 オッサンは迷わずそのパブに猪突猛進。 (勘弁してくれよ・・) ドアは当然閉まっている。 なぜなら、今は午後12時を回ったところだからだ。 (無駄なことはよせ。つーか、酒なぞいらぬ。) という淡い希望もすぐに敗れ、 眠そうなランニングの太っちょが、やけにお似合いのマルチーズとお出迎えだ。 オ:「ぐへへ、おせーじゃねーか。のませろい。」 太:「しょーがねーな。その横のは誰だ?」 オ:「おれのつれだよ。」 僕:(なにこの展開・・) 太:「ビールでいいよな」 オ:「おうおう」 僕:「もうなんでもいいっすよ」(日本語で。) 満足そうにうなずくオッサン。 太:「50KCだぞ」 僕:「僕払いますよ。」 オ:「ん、なんでだ?」 僕:「まぁ、案内してもらってるし・・」 オ:「そうか、じゃらむもたのむ。」 僕:「・・・」 オ:「がはは、じょうだんだよ。」 オ:「いやいやじょうだんだって、らむはおれがだしてやる。」 僕:(にこにこしながら日本語で)「いらんわ。」 満足そうにうなずく面々。 あと5分の辛抱だ。 次の列車に乗れば、黙っててもブラチスラバだ。 アマカッタ・・ お前、どう考えてもこれはローカル電車じゃないか。 チンチン電車やないか。 オ:「のれ!」 僕:「ブラチスラバ・・・」 オ:「だいじょうぶだ!のれ!」 僕:「本当につくんですか?」 オ:「もちろんだ。」 ハイ。 お次の駅は「Kuty」。 こんどは、スロヴァキア側の国境駅ですねー。 だいぶいい気分ですよー。 ラムを2杯とビールですよー。 明け方までの酒も残ってますよー 眠いですよー。 オ:「おまえのじゅうしょをおしえてくれ。てがみをおくりたい。」 僕:「はいはい。いいっすよ。」 オ:「わはは、おまえいいやつ。」 オ:「じゃ、おれここだから。」 僕:(もう驚かない)「あ、そう」 オ:「つぎのにのればぶらちすらばだから。」 僕:「はいはい、だうも。」 (去ってゆく老夫婦、残された酔っ払い青年) 僕:「すいませーん、ブラチスラバ行きの列車はどこから出ますかー?」 周囲の人々:「コソコソ」 僕:「スイマセーン!スイマセーン!」 若い女:「こっちよ」 僕:「ありがちょう!」 ついに、ついに、ブラチスラバ行の列車に乗ることができた。 無駄な乗り換えを重ねること3回。 見知らぬオッサンと仲良くなり杯を交わすこと3回。 先ほどまでの雪が嘘のように、晴れ間がのぞいた。 天が祝福した。 ちなみに、ボックス席の隣に座ったその若い女(カテリーナ:英語教師)も、 真正面に座ったお爺さん(ステファン:オーストラリアに移住していたスロヴァキア人)とも番号とアドレスを交換し、国際交流を果たしたのであった。 これが旅ってもんだね。 さて、ここまでが前半です。 時刻はまだ13:45。 酩酊度70。 ちなみに、プラハ→ブラチスラバは往復で729kc(約4500円)、直行便が出ている。 その場合、約4時間10分で到着となる。
by chikara_mikado
| 2008-03-23 06:49
| 旅行
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Kal Ort Por
2007チェコ映画祭 in Yokohama
横浜美術館で10月26日(金)から開催。 チェコ映画祭ブログ 映画だけじゃなく、色々なこぼれ話を書いています。作者は知る人ぞ知るあの人。 絵本工房 井上真鳳がプラハで初の海外公演!なんちゃってプロデューサーとして私も一枚噛んでおります。 Flash Games 一覧 ・過去に紹介したものを纏 めてみました。 フリーAVG攻略メモ ・抜け出ることができず、 ブチギレそうな方はここで。 肉球 振り向きざまにエルボーから、引っくり返って猫パンチに方向転換したようです。 rybickaのプラハ・チェコ日記 rybička (リビチカ=小さい魚)さんがおくるプラハ・チェコ生活情報。 プラハの街を自由自在に泳ぎまくりです。 カモメのカバールナ プラハの留学生、カモメ。 街中を飛び回ります。 Akoya Diary NYで出会ったピアニスト。一日11時間の睡眠が必要な健康体。 以前の記事
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